はじめに
2024年に発売されたクラシックのアルバムの中でオススメのものを紹介するブログです。最終的には2025年1月に完成する予定ですが、それまでは、候補が登場するたびに加除修正していきます。
候補その1 潮田益子 (Vn) 、森正 (指揮) 、 日本フィルハーモニー交響楽団
チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲
バルトーク: ヴァイオリン協奏曲第2番
TWSA1180
- 潮田益子がデビュー当初に録音した盤の復刻。とても優れたリマスタリングで、心地よく聴ける音に仕上がっている。潮田も、森正の指揮による日フィルも、いたずらに個性を主張せず、曲そのものに耳を誘う真摯な演奏。たぶんこの盤が1位になると思います。
候補その2 宇野功芳 (指揮) 仙台フィルハーモニー管弦楽団ほか
ベートーヴェン: 交響曲第7番ほか
OVEP00032
- 宇野氏の音楽評論を長年愛読してきたが、指揮するのを聴いたのは初めて。仙台フィルを指揮したベートーヴェン交響曲第7番から聴き始めたが、あまりに素晴らしいためこれを繰り返し聴いてしまい、先に進めない。
候補その3 藤田真央 (p)
ショパン:24の前奏曲
スクリャービン:24の前奏曲
矢代秋雄:24の前奏曲
SICC-30894
- 世界初録音の矢代秋雄めあてで購入したのだが、アルバム全体のコンセプトが面白い。3編ともすべて、ハ長調→平行調のイ短調→五度上のト長調→平行調のホ短調……という配列になっており、かつ、3編はおおよそ50年のインターヴァルをおいて公刊されているという特徴を持っている。
候補その4 ヘルマン・アーベントロート (指揮) ライプツィヒ放送交響楽団ほか
ハイドン:交響曲第88番
ブラームス:交響曲第1番 ほか
HACE001
- アーベントロートがエテルナに録音した音源のリマスター盤をセットにしたもの。大昔にハイドンやブラームスを聴いて感動したものの、聴きにくい音質だなと思い、聴かなくなっていた。数十年ぶりに聴き直したが、このリマスター盤は素晴らしい。バックグランドノイズが著しく少なくなり、ヴァイオリンの音もかなり瑞々しくなるなど、とても聴きやすい音質で、凄い演奏そのものに集中できる。
候補その5 シトコヴェツキー・トリオ
ベートーヴェン: ピアノ三重奏曲第1番
ベートーヴェン: ピアノ三重奏曲第5番「幽霊」
BISSA2699
- BISレーベルらしく、SN比の良い、部屋の空気が清浄になる錯覚をおぼえさせる優良録音。
候補その6 飯森範親 (指揮)、 日本センチュリー交響楽団
ハイドン: 交響曲第82番ハ長調「熊」
ハイドン:交響曲第86番ニ長調
ハイドン:交響曲第87番イ長調
OVCL-00849
- 交響曲全集の第24弾。今回は、私の大好きな82番が収録されていて、シリーズの中でもリピート回数が多い。
候補その7 デレク・ソロモンズ (指揮) 、 レストロ・アルモニコ
ハイドン: 交響曲第39番 ト短調ほか
19658829892
- 中高生の頃におそらく第39番をFMで聴き、その美しい音質に魅了された記憶がある。今回発売されたセットを聴いたが、SN比の良い透明度の高い録音は現代でもなお上級に位置づけられる。
- 演奏スタイルはホグウッドのモーツァルト交響曲全集と同じで、リピート記号がある箇所はすべてリピートするというもの。リピートが嫌いな現在の私にはかなり煩わしい。オケのレベルは過渡期のもので、ホグウッドのモーツァルト交響曲全集の時よりもレベルが多少上がっているものの、現代のピリオド楽器演奏団体には及ばない。
- それでもやはり、この演奏を無心に聴いていると心が和む。現代からみると中庸で素直な演奏で、演奏者による多彩な仕掛けをキャッチしようと身構える必要がなく、録音の良さもあいまって、リラックスしてハイドンに浸ることができるからだろう。かつてホグウッドのモーツァルト交響曲全集やハイドンの交響曲全集(未完)を夢中で聴いた世代の方には文句なくお勧め。