BARBEE BOYSデビュー40周年記念ということで、1stアルバムがリマスタリングされて発売されました!
このアルバムが出た1985年当時、私は高校1年生。クラシックとヘヴィ・メタルにのめりこんでいたため、BARBEE BOYSは素通りしてしまいました。テレビで何曲か演奏したのをたまたま観て「なんだか凄そう」と思った記憶はあるのですが、アルバムを買ったりはしませんでした。むしろ今のほうがよく聴いていますね。
それでは、1985年のオリジナル盤と2024年のリマスター盤の外観を比べてみましょう。
上が85年版、下が24年盤です。ジャケットの表は全く同じですね。帯もオリジナルのレイアウトとほぼ同じですが、40周年のスタンプを挿入するためですかね、タイトルのフォントが少し小さくなっています。
ジャケットの裏も全く同じですが、オリジナルのマスターが残っていないのでしょうか、24年版の6枚の写真は鮮明さをやや欠いており、オリジナルをスキャンしたような仕上がりになっているのがちと残念です。私の稚拙な写真では違いがわからないかもしれませんが……
歌詞カードの体裁もオリジナルとほぼ同じですが、リマスターに携わったメンバーのクレジットが歌詞が終わった後に書き足されています(オリジナルでは余白だった部分)。歌詞カード掲載の写真のクオリティは、ジャケットの裏と同じです。
ディスクのラベルですが、85年盤はEpicの共通ラベル。24年版はハチ君仕様になっております。B面ではお尻を向けております。かわいいですね。
最後に、リマスターによる音の違いについて感想を書きます。
オリジナルの印象をがらりと変えるような大胆な変化はないと思います。とはいえ、私が聴いた限り、はっきりとした違いは2点あります。第一に、現代らしく中低音を増強していること。第二に、奥行きを感じさせる音場にしていることです。
オリジナルに全く不満を感じていない私にとっては、これらの変化にはメリット・デメリット両方あるように思います。コンテンポラリーな音質になっているので、若い世代の方にはすんなり受け入れられると思います。中低音が増えたことでバスドラやベースという曲の屋台骨がよりしっかりして聴こえますし、音場が豊かになったことで、楽器の分離がよくなり、ヴォーカルもよりはっきり聞こえるようになりました。例えば、Kontaが歌う「暗闇の chance」「暗闇で dance」という歌詞がわかりやすい例ですので、注目してみてください。
ただ、中低音が増したことでリズムがやや重く感じられるようになり、疾走感や軽快感がやや犠牲になっている気がします。また、音場が立体的になったことで、音のすき間が感じられる──つまり、ここでフィルがあればとか、シンセで白玉をいれればとか、ここでギターをオーバーダブすれば、とか思ってしまう瞬間が生じるようになってしまいました。オリジナルの2次元的な音場で聴くとまったくそのような不遜なことは思わず、完璧なアレンジだと感動するのに、不思議なものです。
というわけですので、このアルバムが好きな方は2つとも持っておき、その日の気分に応じて取り出す盤を選ぶのがよろしいかと。